破産手続と民事再生手続
破産手続のケース
- 業務は停止、従業員は全解雇
- 裁判所が「破産管財人」を選任←会社の権限を全て有する
- 破産管財人;財産を処分(換価)して、優先される債権(税金や労働債権)から配当。残った資金から一般破産債権(金融債務・買掛金債務)に配当。
- 破産手続が終了すると、会社は消滅
・債務の弁済を禁止。リストラはしても全解雇はしない
・業務を継続しつつ、「再生計画案」を策定。再生債権者が同意の決議
・財産の売却等で、優先される債権を配当
・残りは、複数年かけて弁済するが、9割近くは債務免除してもらう!
・コツコツ支払う分、配当率は破産手続より結果的に良い
破産手続;現在保有する資産のみで返済→配当率低い
民事再生手続;優先債権は配当しつつ、事業を続けながら返済→結果的に配当率高まる
民事再生へのハードル
・民事再生によって事業を継続できるか
・申立に必要な費用(弁護士、予納金や運転資金)を用意できるか
・再生計画案の立案ができるか
・再生に「大義」があるか。←社会的意義
https://www.new-st-age.com/民事再生と破産との違い%E3%80%82あなたはどの手続を選択すべきか%E3%80%82/
日本タンカー攻撃の地政学
安倍総理訪問中の日本タンカー攻撃@ホルムズ海峡
ニュース女子がわかりやすかったので、メモ。
誰がやった?
①イラン革命防衛隊:アメリカによる石油輸出規制(5月からの制裁)への反発
②アメリカの対イラン開戦派(トランプを取り巻く?):自作自演の火種作り。ベトナム戦争のようなCIAの細工
アメリカの態度
無人偵察機(ドローン)が見張っており情報は得てる。政治的利用はしても軍事的な能力開示を憚り、小出しにする。
イランによるドローン撃墜に対して、トランプは報復ミサイルを打とうとしたが、100人規模の被害のため実行せず。経済回復と来年の再選のため平和的?
ホルムズ海峡の安保
現在:アメリカ海軍、イギリス海軍、イラン革命防衛隊の多国籍での監視状態
海洋安全保障イニシアチブ:実態は反イラン包囲網。日本は乗り気でない。
自衛隊は介入すべきか。(自国の船籍でないから傍観)←世論は半々
アメリカはエネルギー純輸出国へ。脱中東依存で、中東の海上安保モチベ低い。
自分の船を自分で守れとすると、中国がホルムズ海峡に進出しうる?←トランプの問題。
イランとアメリカ
核開発問題:アメリカとイラン対立の核
①核武装の防止。北朝鮮には制裁をしてイランにしないわけにいかない。
※イラン核合意:2002年に核開発をして制裁。2015年に制裁緩和(金融、石油取引規制)を条件に15年間の核開発の制約を合意。2018年5月、トランプが「最高水準の経済制裁」を掲げて離脱。(核合意より、制裁で根を上げさせたい。北朝鮮での成功?経験。)
イスラエルがイランを警戒。イランのウラン濃縮に厳しい(日本もやってるのに。)
今後の活路
アメリカから輸入に、商社が動いてる。日米貿易収支改善や、北太平洋は広いし関与してくる国がなくて安全。天然ガスも安い。太平洋側の設備がないため、ワシントン州東北地方あたりに作りたい。
所感
メモ
全般
核合意離脱
イスラエルとイラン
会計の英単語、整理
Intangible Asset ; not phtsical in nature
- Goodwill, Brand recognition, Mailing list of clients
- Intellectual Property;知的所有権, such as patentes, trademaeks, and copyrights
①Indefinite ; 耐用年数が定まっていない(not amortized)
- brand name
②Definite (be amortized)
- legal agreement to operate under another company's patent
※ Intangible asset doesn't appear on balance sheet. Only if they have aquired, it appears. For example, company A purcheses a patent, then A would record a transaction under long-term assets. It would written off over a number of years via amortization.
Tangible Asset
- land, vehicles, equipment, and inventory
- financial assets ; stocks and bonds
write off ; 削除、控除、減価償却
along the way of ; ~に至るまで
agreed-upon ; 合意済みの
amortization ; 償却
impairment ; 減損
carrying value ; 帳簿価格
fair value ; 妥当な評価額
Fixed Asset ; a long-term tangibles, not expected to be convert into cash within 1 year
- PP&E(property, plant and equipment)
- capital assets
Assets
①Current assets
- liquid assets
- inventory,
②Noncurrent assets
- not easily converted into cash
- property, fixed assets, intangible assets, long-term investments, deferred charges
日本交通の戦略
利用者数減少と、自動運転・IT化によって転換期を迎えるタクシー業界。業界最王手の日本交通会長、川鍋氏は3つの側面から戦略を実行している。
会長の座右の銘は、
変化はコントロールできない。ただその先頭に立つのみ。Peter Drucker
経営は、常に組織・業界を変化に対応させることであり、それこそが最大の課題だという。
内容
- 業界・日本交通の現状
- 2000年代の施策
- 現在の戦略
業界の近況
・初乗り料金を値下げ(730円→410円)→チョイ乗り需要UP
・ワゴンタイプの導入(JPN TAXI)→乗りやすい=気楽に利用
・利用者数が減少(1970年の1/3)
日本交通(業界最大規模)
・保有台数;7500台
・従業員;1万人
・売上高;960億円
・予約配車台数;2万/1day=1/6s
会長
川鍋一郎(48)
当時の日本交通はバブル投資失敗などで1900億の負債
役員は保守的・敵対的
改革
・22の子会社売却
・黒タクの高級路線
・専用の乗り場設置
→負債解消&V字回復
施策
初乗り料金値下げ=価格戦略
・利用者増やす+世界水準へ。(NYC280,LND360)
配車サービス開発=IT戦略
・電話で呼ぶより早い。
タクシーは、「拾う」から「選ぶ」時代へ。
サポートタクシー=商品戦略(スペシャライズ)
・病院の定期検診、観光、キッズ、陣痛など、特定利用者向けサービス
・有資格者や、毎回同じドライバーがくる。
・陣痛は、値段変わらず。(都内妊婦の1/2が利用登録!!)
→カスタマイズした専門的なサービスを提供(✖️画一サービス)
アイディアは、現場から生まれた。(オペレーターの近くで、たまたま発見)
鍵は、乗務員のサービス。=接客業だから。
・研修
・77のルールブック=サービスの標準化
・250人の抜き打ちチェック=品質管理・改善(情報の非対称性を解消する)
・3つのキャリア階層=モチベーション向上
※頂点でも7~800万・だいたい600万
インターン実施→新卒応募4倍に。
・5395件
・164人(うち1割女性)
まとめ
タクシー業界は、利用者減少局面にある。会長の川鍋氏は大きく以下の3側面にアプローチした。1.価格戦略・2.商品戦略・3.品質向上。具体的には、初乗り料金の値下げ、特定利用者(ニーズ)特化のサービス開発、接客のマニュアル化と抜き打ちチェックだ。それぞれ、利用者の増大、サービス形態の転換を図る施策だろう。
感想
産業の要諦を考える。タクシー業界=接客業である。
そこで、利用機会を増やす+情報の非対称性を解消 したのが戦略の全体像だろう。
売上=利用者数×平均単価(移動距離)
多分こんな感じで、単価が低いがリーチしていなかったライトな需要をゲットする。+専門家したサービスで中距離やリピート顧客を増やす+品質保証で全体の底上げをした。
メモ
不動産市場の「悪い均衡」
要点
何が起きているか?
日本は住宅を使い捨てにしている(建て替え頻度が高い!)
Fact
・日本の戸建の平均経年減価率=5.8%@東京,6.7%@東京以外
・米国は1.8%
・95%が失われるのに、日本は4,50年、米国は165年
※住宅の取引価格、寿命(取り壊しの年数)から推計可能
・「飲食・店舗」「旅館・ホテル」は、より減価率が高い。
なぜそうなのか?
通説(神話)
- 日本は木造、欧米は石やレンガ←米国の住宅もほとんどが木造。でも減価率低い
- 高温多湿で物理的寿命が短い←東京大阪=65%,アトランタ,ニューオリンズ,ヒューストンは70%
- 法定耐用年数が22年だから引っ張られる。←米国も27.5年と大差なし。
吉田氏の考察
- 生活様式の変化
- 耐震技術の進歩(と費用)
1.70年間で建物に対するニーズ(機能・規模)が変化。→既存不動産の利用価値が減少
メモ
戦後の変化は欧米化が主。それなのに、欧米と性向に差が生まれるのはなぜ、?既存不動産を建て替え需要が、一時的に増えたということだろうか。(←短期的問題として捉えている。)
2.耐震技術が高度化し、建て替え増加と逆選択をもたらした。
・10~20年に一度、耐震基準が改正→「既存不適合」になる
=改修需要が、建て替え需要に変化!(費用かかるため、ついでに建て替える)
・一方で、改築時の耐震規制強化=放置して使い続けるインセンティブ↑
後者がまずい。
不動産市場が、「悪い均衡」に陥った
消費者;中古住宅市場を避けるor修繕費を織り込み、値引いて購入
所有者;高値で売れないから、維持管理をしない
【中古市場の問題】
期待される再販売価格の低下=維持管理のインセンティブ↓=逆選択が加速
どうすればいいのか?
売り手が、「品質」に関して信頼できるシグナルを出すことが必要。
1.調査の標準化
米国;有資格者が調査(カビ、害虫、電気、空調、上下水、土壌、基礎、屋根、法規制など)
2.過去の維持管理、修繕記録の徹底
ブロックチェーンと相性good
ドバイ国土省;不動産登記にブロックチェーンを利用
今は、改築するか否か100 or 0の状態。
0~100の間で連続的に改修の程度を定め、品質が価格に反映されるようにする。
まとめ
日本の不動産市場は特異である。建て替えが多く、不動産の寿命が短いのだ。生活様式の変容によってニーズが多様化したことも建て替え増加の理由の一つだが、より根深い背景は中古市場のデッドロックだ。耐震基準の強化で改修コストが増加し、修繕より建て替えが誘発されている。加えて、所有者がメンテナンスを諦める心理的誘導にもなり、中古市場が玉石混合かつ情報が不透明な常態である。解決するには、品質保証と維持管理の透明化が有効だ。ブロックチェーンとの相性が良く、耐震化と品質向上が進み、市場の流動性が高まるだろう。
思ったこと
・所有者が改修したり、耐震対応するのは、結構大変。住民の合意をとったり、資金を平等に収集したり。→面倒臭さを代行してくれるサービスは、ニーズがありそう。
ex. スマホ上で、築年数や建物構造について入力→自動でちょうどいい改修プランをアレンジ→なんらかの合意形成のサポート
・「飲食・店舗」「旅館・ホテル」の減価率が特に高い。これは、消費者が飽きやすいことも理由でなかろうか。日本の飲食店はブームが多く、コロコロ趣向が変わってスクラップアンドビルドしている印象がある。欧州は、老舗の店構えでどっしり腰を据えている印象がある。(特にホテルとか)イメージだけど、衣食住に対する消費者の趣向が多様かつ変化に富むのが日本で、逆に欧州の消費者は衣食住に求めるバリューが一定的な感じがする。
メモ
日経新聞、2018/10/29、吉田二郎、13面経済教室「日本の住宅市場の特異性」
平成の日本没落を、要素分解して考える。
要点
- 旧態依然とした40年体制→バブル経済
- 金融・国への依存体質=製造業の農業化
- 産業転換(製造業中心からの脱却)ができてない
1.金融体制転換の遅れ
平成は、1940年代から続く40年体制を変革すべき時代であった。
40年体制・・第二次大戦中の統制経済的体制。「金融」(都市銀行・長期信用銀行)と「官僚」(大蔵省)を中心に経済をコントロールする。
- 高度経済成長期には機能←設備投資の資金需要
- 80年第中頃に需要縮小→安易に不動産投資↑→地価↑=バブル経済
戦後の経済システムが旧態依然として存在し、バブル崩壊と処理の失敗を生んだ。本来ならば、平成の間に金融機関が欧米の投資銀行のような役割へ転換するなど、新たな金融体制への変革が必要だった。
メモ;金子氏は、米国主導の金融自由化が日本の金融セーフティネットを破壊し、日本をバブル経済の波に飲み込んだと解釈。野口氏は旧体制を続けたためにバブルとその遺産が生まれたと考察。新自由主義が英米経済を復古させたのは事実だが、日本に対する影響の捉え方に差がある。いずれにせよ、旧体制と時代のミスマッチが金融の空回りを生んだようだ。
2.金融&国への依存
産業転換すべき局面で、日本経済は金融&公的補助のテコ入れに依存。
・バブル崩壊=40年体制の限界
・世界の変化=「中国の工業化」+「製造業→IT産業への産業転換」
→産業構造の転換に対応するべき。
しかし、「金融システムへの依存」(99年のゼロ金利政策・現在の異次元の金融緩和)や「国・官僚への依存」(08年後のエコカー減税・雇用調整助成金の要件緩和)など、本質的変化を直視せずに国に依存した体質が醸成。まるで高度経済成長期に成長から取り残された農業のように、国の保護を受ける存在になった。
メモ;日系大企業に対して抱く、無駄が多くで変化にとろい体質は、国と金融への依存が大きいことが要因かもしれない。なんとなく、保護されてぬるま湯に浸かったような総体を感じる。その点、外資は外資たるからこそ「日本」に依存していない。これは、組織体質として決定的な違いだと思った。
3.製造業中心からの脱却不足、
産業構造の転換→経済牽引企業の変化
→全く新しいサービスで成長
日本は、伝統的な製造業中心から脱却しないと衰退の一途。
メモ;本当に日本のIT企業は何もできていないか、具体的事例で比較しないと。あと、米国だけが ITで先陣を切った要因は何?日本との違いは?製造業の保護がない=資金が IT産業に流入しやすい??スパコン開発の差?タニマチの存在?(by金子氏)学生起業の文化・ITのメッカ(シリコンバレー)が人・技術・金を呼ぶ?(by Natalie,Luke)
まとめ
戦後の経済統制的体制を引きずり、バブル崩壊後も金融体制の転換に失敗。それどころか、弱体化した製造業を中心に金融・国の保護を受ける「依存体質」が醸成された。これこそが、変化に鈍くいつまでも金融と産業転換の歯車を空回りさせる日本社会の本質的課題なのだろう。
PS
構造転換に乗り遅れた。結果から見ればそうだろうが、当時の社会がわかっていなかったわけではないと思う。変化する気持ちはあっただろう。具体的に何が足枷で、何が米国と異なるのか。デッドロックの常態に、地に足ついた考察が必要そうだ。
その意味では、金子氏の「資本主義の克服」は制度の束という視点から、雇用形態や社会保障、金融制度など個別具体的な考察が多く含まれていた。
メモ
2018/10/29
週刊ダイヤモンド、#32平成経済全史、p32、野口悠紀雄、「平成は「40年体制」を引きずり日本没落を決定づけた時代だった」
GEの株価暴落にみるソフト普及の難しさ+のれん減損の怖さ
要点
- ソリューションビジネスの壁=保守的業界・非既存顧客
- エネルギー転換→火力発電部門↓
- 事業売却→EBITDA純有利子負債倍率↓
米GEが主力事業が不振で、事業の切り売りを進めている。なぜか。
株価は17年1月→18年10月で6割超下落
1.ソリューションビジネスの難航
GEは15年に子会社GEデジタルを設立。産業向けIoTプラットフォームPredixに約40億ドルを投資した。(タービンのデータから運用改善など)
しかし、想定顧客の電気・航空会社=保守的で全然乗り換えてくれなかった!製造業などターゲットを広げるも、もともとGE製品を使ってない→導入進まず。。
考えること1
・保守的な産業は、なぜ保守的?(歴史?構造?規模?)
・保守的な産業に、転換をもたらすには?(十分な有用性がなかった?)
・新規顧客に、使ってもらうには??(導入コスト?信頼?スイッチング?)
2.産業転換についてけてない?
GEの主力部門は発電事業だ。しかし、脱化石燃料化によって発電所建設プロジェクトは資金収集に苦戦。そして、電力部門ののれん代の償却は230億ドルのうちほとんどが減損処理→セグメント別営業利益悪化。
考えること2
・風力発電事業の営業利益も減少してる。なぜ??(縮小させてる?競合負け?)
・火力が沈む分、再エネで力を強めないと!どんな戦略がある、?
・のれん代の減損処理って、どうやって計算??
3. 強化事業も売却ヘ。
17年冬に、航空エンジン・火力発電・風力発電・医療機器の4部門に注力することに。しかし、18年6月にはその医療機器部門も売却を決定。
総額200億ドルの事業売却=EBITDA純有利子負債倍率↓
※EBITDA純有利子負債倍率・・本業の収益で、借入金を何年で返済できるか
残る3部門も切り売りするのではと予測が高まり、幹部はそれらはどれも回転体だから投資の相乗効果があると必死に火消し。一理ある。
考えること3
・売却の目的は負債倍率を減らすことだけだろうか?
結論
産業向けIoTソリューションビジネスは、難しい。そのため、壁をどう乗り越えるかの戦略が試される。同じデジタル化を追う日立・東芝も他人事でない。
ハード+ソフトを組み合わせた事業モデルは、製造業再生の憧れだった。今回はそれがつまづいた結果となった。
余談
・GEは08年のリーマンショックで金融部門が巨額損失を出して以来、製造業に回帰。
・同業のシーメンス(独)の株価は堅調な推移!←違いはなんだ?
・GEデジタルは4億ドルのコスト↓ → 競合に技術者流出(日立製作所など)
・GEの金融部門は62億ドルの損失。(役員・従業員はどんな気持ちなんだ、、)
・ のれん代減損の戦犯の仏重電大手アルストムだが、買収交渉では三菱重工とシーメンスの日独連合が参戦し争奪戦だった。(危なかった+争奪戦のせいで価格↑)unlucky
・GE全体ののれん代は840億ドル。
・日系企業の最大は、SBグループ。(4.3兆円=382億ドル)
・https://diamond.jp/articles/-/180403?page=3
・ソフトウェア会社の買収も多く、次なる減損に市場はビビる←IFRSの特徴?
メモ
・週刊ダイヤモンド41「メディアの新序列」、「ゼネラル・エレクトリック」(財務で会社を読む)2018/10/27
・2018/10/21