mikeigoのブログ

世界の関係性を総体として捉える。解像度高く、クリアーな思考を目指して、備忘録。

日本交通の戦略

利用者数減少と、自動運転・IT化によって転換期を迎えるタクシー業界。業界最王手の日本交通会長、川鍋氏は3つの側面から戦略を実行している。

 

会長の座右の銘は、

変化はコントロールできない。ただその先頭に立つのみ。Peter Drucker 

経営は、常に組織・業界を変化に対応させることであり、それこそが最大の課題だという。

 

内容

  1. 業界・日本交通の現状
  2. 2000年代の施策
  3. 現在の戦略

 

業界の近況

・初乗り料金を値下げ(730円→410円)→チョイ乗り需要UP

・ワゴンタイプの導入(JPN TAXI)→乗りやすい=気楽に利用

・利用者数が減少(1970年の1/3)

 

日本交通(業界最大規模)

保有台数;7500台

・従業員;1万人

・売上高;960億円

・予約配車台数;2万/1day=1/6s

 

会長

川鍋一郎(48)

慶應アメリMBAマッキンゼー→日本交通(2000年)

当時の日本交通はバブル投資失敗などで1900億の負債

役員は保守的・敵対的

改革

・22の子会社売却

・黒タクの高級路線

・専用の乗り場設置

→負債解消&V字回復

 

 

施策

初乗り料金値下げ=価格戦略

・利用者増やす+世界水準へ。(NYC280,LND360)

配車サービス開発=IT戦略

・電話で呼ぶより早い。

 

タクシーは、「拾う」から「選ぶ」時代へ。

サポートタクシー=商品戦略(スペシャライズ)

・病院の定期検診、観光、キッズ、陣痛など、特定利用者向けサービス

・有資格者や、毎回同じドライバーがくる。

・陣痛は、値段変わらず。(都内妊婦の1/2が利用登録!!)

→カスタマイズした専門的なサービスを提供(✖️画一サービス)

 

アイディアは、現場から生まれた。(オペレーターの近くで、たまたま発見)

 

鍵は、乗務員のサービス。=接客業だから。

・研修

・77のルールブック=サービスの標準化

・250人の抜き打ちチェック=品質管理・改善(情報の非対称性を解消する)

・3つのキャリア階層=モチベーション向上

   ※頂点でも7~800万・だいたい600万

 

インターン実施→新卒応募4倍に。

・5395件

・164人(うち1割女性)

 

まとめ

タクシー業界は、利用者減少局面にある。会長の川鍋氏は大きく以下の3側面にアプローチした。1.価格戦略・2.商品戦略・3.品質向上。具体的には、初乗り料金の値下げ、特定利用者(ニーズ)特化のサービス開発、接客のマニュアル化と抜き打ちチェックだ。それぞれ、利用者の増大、サービス形態の転換を図る施策だろう。

 

感想

産業の要諦を考える。タクシー業界=接客業である。

そこで、利用機会を増やす+情報の非対称性を解消 したのが戦略の全体像だろう。

売上=利用者数×平均単価(移動距離)

多分こんな感じで、単価が低いがリーチしていなかったライトな需要をゲットする。+専門家したサービスで中距離やリピート顧客を増やす+品質保証で全体の底上げをした。

f:id:mikeigo:20181118054029p:plain

 

 

 メモ

カンブリア宮殿